般若心経の写経と和綴じ
写経を思い立ったのは、後奈良天皇に対する天皇陛下のお言葉に触れたのがきっかけ
後奈良天皇について調べていたとき、2017年に当時の皇太子様が愛知県西尾市の岩瀬文庫を訪れた際に、飢饉や疫病の流行に心を痛められた後奈良天皇が、苦しむ人々のために、諸国の神社や寺に奉納するために自ら写経された宸翰般若心経を触れ、次のような発言をされた記事を見つけました。
奥書には「私は民の父母として、徳を行き渡らせることができず、心を痛めている」旨の天皇の思いが記されておりました。災害や疫病の流行に対して、般若心経を写経して奉納された例は、平安時代に疫病の大流行があった折の嵯峨天皇を始め、鎌倉時代の後嵯峨天皇、伏見天皇、南北朝時代の北朝の後光厳天皇、室町時代の後花園天皇、後土御門天皇、後柏原天皇、そして今お話した後奈良天皇などが挙げられます。私自身、こうした先人のなさりようを心にとどめ、国民を思い、国民のために祈るとともに、両殿下がまさになさっておられるように、国民に常に寄り添い、人々と共に喜び、共に悲しむ、ということを続けていきたいと思います
3年ぐらい前に、機会があれば日常的に写経を行うのもよいかなと、漠然と考え、書道道具一式と、般若心経の写経のお手本は手に入れていました。
この記事に触れ、こんな時期だからこそやってみようかなあと思い、3年の時を経て、書道道具を開封し、写経に挑戦しました。
写経のやり方
半紙の下に見本を置いて、ただ、見本の通りに写経するだけです。
以前手に入れていた「和綴じで綴じる写経入門」の見本をコピーして使いました。
和綴じで綴じる 写経入門―すぐに始められるキットつき (いまから始める大人の趣味入門)
- 作者:彼岸寺
- 発売日: 2010/05/28
- メディア: 大型本
ネット上には、写経用の見本の画像やPDFもあるので、それを使ってもよいと思います。
写経の実践
細筆はコントロールが難しく、腕が震えてしまい、線がまっすぐ引けません。
スピードを速めれば線はまっすぐになりますが、文字が大きくなる傾向にあり、雑になってしまいます。
墨汁も、付けすぎるとにじむし、足りないと途中でかさかさになります。
最初は、とにかく、自分の下手さ加減に嫌気が差しました。
30分くらい続けていると、時々ですが、線の運びを最初から最後まで意識し、まっすぐに線を引けることがありました。
隅々まで意識を行き渡らせ、丁寧に文字を書く感じです。
見た目が上手かというとそういうわけでもないのですが、ひとつひとつの線を同じ早さで、最初から最後までコントロールしてかけている感触です。
そんな感じで、般若心経を模写するのにかかった時間は70分でした。
これが、以外とあっという間です。
だいたい、70分くらいで終わりました。